アラサーだって夢をみる


ゆっくり唇を離した私に三神さんは言う。 

「こんなエロいキス、誰に習ったんだよ」

「三神さんですよ」

私はそう答えて、三神さんに抱きついた。  
すっぽり包み込むように抱かれて気持ちいいなぁと思っていたら。

「俺、ほんと余裕なかったからさ。
 次はこの体位でしようね」

腰に手が這って下に降りていく。    

「三神さん!」

あはは、と笑いながら、三神さんが体勢を入れ替える。

「でもやっぱり、こっちのが落ち着くな」

身体の下にされた私は、ドSですもんねと言いそうになって言葉をのんだ。  

「もっかい、キスして」

にっこり笑って強請る三神さんの首に手を回して引き寄せて。
またさっきと同じようにキスをする。
下になってる方が楽なんて、すっかり慣らされてしまったなぁと心の中でため息をついた。

唇が触れたまま、三神さんが囁く。

「こんなキス、他の奴にしたらだめだよ?」

それに答える前に、舌が這入ってくる。 
深く口づけられて、力が抜ける。
身体がまた熱くなる。 
喘ぎが漏れて、涙が滲んで、それでもまだ続けられて。

やっと離してくれた後、
三神さんは私を見つめて

呟くように言った。

「俺にしか……するなよ?」

その声が酷く真剣で、胸が痛む。
私は頷いて、三神さんにしがみついた。


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