アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
結局、どこにも出掛けずに、ずっと三神さんの部屋にいる。
一緒に食事の支度をして、食べて、抱き合って、眠って…また起きて食事して…
呆れるほどにべったりとくっついて過ごす2日目の夜。
三神さんと世良さんが一緒に出ているアニメを見ながらその腕の中で解説を聞くというとんでもない贅沢をしていたら、唐突に聞かれた。
「次はいつ来る?」
少し考えて、夏コミなら、と答えた。
「そっか」
ため息混じりに三神さんは続ける。
「3ヶ月も沙理に会えないと思うと寂しいなぁ」
私を抱いていた腕に力がこもる。
「ねえ」
手のひらで頬を包まれて、顔を上げると視線が絡む。
短い一言だったけど、声の雰囲気が変わってることに気がついた。
空気が張り詰めて何だろうと緊張する。
三神さんは切れ長の目を細めて、唇を動かした。
「離婚して俺と一緒になれよ」
「え……ぇ!?」
思わず飛び起きようとして、押さえつけられた。
三神さんは怖いほどに真剣な眼差しで私を見つめる。
離婚?
私が?
友樹と?
「そんな、こと…」
そんな手段があるということすら思いつきもしなかった。
今の今まで。
「考えてみてよ」
「そいつのこと、俺より愛してる?」
真顔で問われたけど即答できない。
愛してる――?
三神さんを愛してる。
私は三神さんのもの。
私の本当の気持ち。
でも友樹に愛情がないはずがない。
何年も一緒に暮らしているんだし。
だけど、それは愛してるってことなのかな。
三神さんより愛してるのかな。
考えても答えられないでいると
「答えられないだろ?」
その口元がゆるんで、頬に触れる。
「前向きに考えてみてよ。焦る年でもないし」
「俺、本気だからね」
沙理と一緒に生きていきたいんだよと抱きしめられる。
あまりに突然のことで私は言葉が出てこない。
「それにね」
三神さんの長い指が私の髪を撫でる。
「俺となら絶対幸せになれるよ」
それには思わず答えた。
「今も幸せなんですけど…」
「本当に?」
本当にって…。私にとって、今が幸せじゃなかったら何が幸せなんだろうと思っていると
「それじゃ言い方変える」
三神さんはにっこり笑う。
「沙理と一緒にいると俺が幸せなんだよ」
その言葉が私の心を大きく揺さぶった。
感情が溢れるのがわかる。
涙が止まらない。
哀しいのか嬉しいのかわからない。
ただ、止まらない。
だって、そんなこと言われたの初めてだから。
私といて幸せだなんて、言われたことないから。
どうしていいかわからない。
三神さんはそんな私を黙ってずっと抱いていてくれた。
一緒に食事の支度をして、食べて、抱き合って、眠って…また起きて食事して…
呆れるほどにべったりとくっついて過ごす2日目の夜。
三神さんと世良さんが一緒に出ているアニメを見ながらその腕の中で解説を聞くというとんでもない贅沢をしていたら、唐突に聞かれた。
「次はいつ来る?」
少し考えて、夏コミなら、と答えた。
「そっか」
ため息混じりに三神さんは続ける。
「3ヶ月も沙理に会えないと思うと寂しいなぁ」
私を抱いていた腕に力がこもる。
「ねえ」
手のひらで頬を包まれて、顔を上げると視線が絡む。
短い一言だったけど、声の雰囲気が変わってることに気がついた。
空気が張り詰めて何だろうと緊張する。
三神さんは切れ長の目を細めて、唇を動かした。
「離婚して俺と一緒になれよ」
「え……ぇ!?」
思わず飛び起きようとして、押さえつけられた。
三神さんは怖いほどに真剣な眼差しで私を見つめる。
離婚?
私が?
友樹と?
「そんな、こと…」
そんな手段があるということすら思いつきもしなかった。
今の今まで。
「考えてみてよ」
「そいつのこと、俺より愛してる?」
真顔で問われたけど即答できない。
愛してる――?
三神さんを愛してる。
私は三神さんのもの。
私の本当の気持ち。
でも友樹に愛情がないはずがない。
何年も一緒に暮らしているんだし。
だけど、それは愛してるってことなのかな。
三神さんより愛してるのかな。
考えても答えられないでいると
「答えられないだろ?」
その口元がゆるんで、頬に触れる。
「前向きに考えてみてよ。焦る年でもないし」
「俺、本気だからね」
沙理と一緒に生きていきたいんだよと抱きしめられる。
あまりに突然のことで私は言葉が出てこない。
「それにね」
三神さんの長い指が私の髪を撫でる。
「俺となら絶対幸せになれるよ」
それには思わず答えた。
「今も幸せなんですけど…」
「本当に?」
本当にって…。私にとって、今が幸せじゃなかったら何が幸せなんだろうと思っていると
「それじゃ言い方変える」
三神さんはにっこり笑う。
「沙理と一緒にいると俺が幸せなんだよ」
その言葉が私の心を大きく揺さぶった。
感情が溢れるのがわかる。
涙が止まらない。
哀しいのか嬉しいのかわからない。
ただ、止まらない。
だって、そんなこと言われたの初めてだから。
私といて幸せだなんて、言われたことないから。
どうしていいかわからない。
三神さんはそんな私を黙ってずっと抱いていてくれた。