愛を待つ桜
「美月ちゃんは転校生なんだ。良かったじゃない。可愛い子と同じクラスになれて」

「うん!」


桜も家に戻り、夕食は家族全員で食卓を囲む。

弟の話を聞きながら、桜と真はかしこくて可愛い転校生の話に夢中だ。


「桜は好きな男の子とかいるの?」


母の質問に桜より父が慌てている。


「もちろん、いるよ!」

「そうなんだ。母さんも知ってる子?」

「ヤダ! お兄ちゃんに決まってるじゃない! うちのお兄ちゃん以上に頭が良くてハンサムで背が高くて優しくてカッコイイ男の子なんていないものっ!」


あまりの褒められように、横で聞いている悠のほうが赤面する。

今度は母が悠に、


「お兄ちゃんはガールフレンドとかいるの?」

「い、いないよ。男子校だし」


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