ランデヴー
それに恐らく……小原さんは言わないでくれているが、或いはもっと酷いことも言われてるんだろうなぁ、ということが想像できた。



「そ、そうですか……」


『まぁ、大半が僻みですから。そうお気になさらずに』


「えぇ……有り難うございます」


そう答えながらも……少数でも私に敵意を持っている人がいるということは確かだ。



噂というのは恐ろしい。


根も葉もない内容が飛び交ったり、特に恋愛が絡むとそれは途端に悪意が入り交じったものに替わってしまう。


そして、それらを流している人が笑顔で私と接しているかもしれない、という不安すら煽るのだ。


疑心暗鬼にはなりたくないが、せめて私の周囲にはそんな人はいないで欲しいと願うばかりだった。



『何はともあれ、倉橋さんを射止めるなんて。坂下さん、さすがです!』


「え、ちょっと待って下さい! それ誤解ですから!」


『え? 誤解?』


最初から最後まで一貫して激しく勘違いしているらしい小原さんの認識を正したくて、私は全力で否定した。
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