ランデヴー
「俺にはそんな資格ないのに……むしろ、ゆかりの幸せを応援しないといけない立場なのに……。そんな自分が情けなくて……許せないんだよ」


「そんなこと――」


「俺の手で幸せにしてやれないなら、いっそ手放すべきなんだと……」


陽介はそこまで言うと、ギュッと膝の上で両手の拳を握り締めた。



陽介の苦悩がひしひしと伝わってきて、それをどうにかしてあげたくて、私は手を伸ばして陽介の両手に重ねる。


そしてキュッと上から強く、握り締めた。



「陽介……陽介……」


言葉になんかならない、嗚咽を堪えるので精一杯だ。



私は震える手で陽介の頬に手を伸ばすと、そっと触れた。


そして顔を上げる陽介の肩にすがりつくと、その唇にキスをする。



吸い付くようにチュッと音を立てて離れると、じっと見つめ合った。



私達に未来はない。


それは最初からわかっていたことで、その事実が変わらないということも、この2年以上もの月日の中で嫌という程に思い知らされていた。
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