ランデヴー
「ねぇ倉橋君、良く考えて」


「……何をですか」


「倉橋君はきっと勘違いしてるんだよ。毎日一緒に仕事してたら情が移るって言うか……倉橋君の言ってる好きって、『LOVE』じゃなくて、『LIKE』なんじゃないかな?」



そう、それはずっと考えていたことだった。


あまりにも近くで過ごすうちに、私に抱く気持ちを『LOVE』だと錯覚しているのだと。



しかも、倉橋君は私が不倫していることを知っている。


そんな女を何故? という疑問を、私は拭えずにいた。



「は?」


私の言葉に、倉橋君はスッと目を細めて眼光を鋭くさせた。


どうやら完全に怒らせてしまったようだ、と。
握り締めた手のひらに、じわりと汗が滲む。



「何かほんと頭にくるんですけど。俺そんな勘違いする程頭悪くないですよ」


「いや、頭悪いとか言ってるんじゃなくて――」


「じゃぁ何なんですか。めちゃくちゃ不愉快ですね」


「え……あの、うん……ごめん……」
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