ランデヴー
嫌だ、もう泣きたい。
結局謝ることになっている自分が、歯痒くてしょうがない。


怒らせようとしたつもりなんて全くなかったのに結果彼を怒らせ、更には話し合いも上手くいかない。



「確かに俺は坂下さんににとってはただの後輩かもしれないけど……」


「…………」


「でも、勘違いとか言わないで下さい。好きな気持ちをそんなふうに否定されたら……さすがに辛いです」


倉橋君はさっきまでの不愉快そうな顔とは打って変わって、哀愁漂う瞳で私を見ていた。



マズい、私は彼のこの目に弱いのだ。


何だか弱い者いじめをしているような気分になってくる。



傷付いた彼の姿は、私に「これ以上傷付いて欲しくない」と思わせる。


私なんかのせいで嫌な気持ちになって欲しくない、と。



でも――だからこそ、私への気持ちは忘れた方がいい。


その方が、倉橋君にとってもいいに決まってる。
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