ランデヴー
「ゆかり、そういうの良くないよ。考えたくなくても考えなきゃ」


「わかってるけど……だって、何だかあんまりピンとこなくて……。嫌いだとかもう無理とか、そういう決定的な何かを言われた訳じゃないから、まだこのままでもいいのかなって思っちゃうんだ」



そう……数日が経って気持ちが落ち着いてきた今、陽介の愛が冷めた訳じゃないと思うと、安易に別れを受け入れられない私がいるのだ。



だって、受け入れたら本当に終わってしまう。


私はまだ終わりになんかしたくないのに。



「……なるほどね、それは香川さんの弱さなのかもね。向こうも別れたくはないってことか」


「それはわかんないけど……でも幸せになって欲しいとか、そういうことを言われても納得できないよ……」


「確かにねぇ……」


私は淹れたての紅茶を口に運びながら、深い溜息を吐いた。



「ねぇ、佐和子……」


「んー?」


「何で私、あの人のことこんなに好きになっちゃったのかなぁ……」


私は何となく、漠然とした質問を宙に吐き出した。


それは、佐和子に、というよりも自分自身に向けた問いだったように思う。
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