ランデヴー
佐和子は少し考え込むような仕草をした後、「うーん……」と唸りながらも答える。



「それは……香川さんと出会った時のゆかりの精神状態が、ぼろぼろだったからじゃない?」


「そう、なの?」


「うん。あの頃のゆかり、もう会社辞めた方が救われるんじゃないかって、私は思ってた」


「そっか……」


そうなのか、私ってそんなに酷い状態に見えたんだ……。



確かにあの頃の私にとって、陽介はたった1つの光であり、希望だったのかもしれない。


誰も味方なんていないって思っていたけど……そんな私を精神的にも肉体的にも救ってくれたのが、陽介だった。



「私はあの時香川さんがゆかりにしてくれたこと、ものすごく感謝してるんだよ。あれがなかったらゆかり辞めてたかもって思うと、ゆかりにとって香川さんがかけがえのない存在になるってのも頷けるんだ」


「うん……」


「でも……時々ゆかりが香川さんに依存してるんじゃないかって思う時、あるんだよね」


「依存……」


「つまり、あの時ゆかりを助けてくれた香川さんに対して絶対的な信頼を抱いちゃって、香川さんなしでは生きていけない状態っていうか……」


真剣な表情の佐和子の言葉に「そんなことない」と言おうとして、私は言葉にすることができなかった。
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