ランデヴー
「ごめ……」


目を閉じて涙を拭う私の頬に陽介の手が触れたと思った途端、唇に温もりを感じた。



それは、優しいキス。


そっと目を開けると、大好きな陽介が眉根を寄せて辛そうに私を見ていた。


そして、その唇がゆっくりと開く。



「ゆかり……愛してる」


「……っ」


不意に陽介の口から紡ぎ出されたその言葉に、私は大きく目を見開いた。



やるせなさを宿したような陽介の揺れる瞳に、胸がキュッと締め付けられる。



『愛してる』



それは私にとっては極上に、嬉しく――。


そして2人にとってはズッシリと胸を貫く程に、重い――。



愛の言葉だった。
< 220 / 447 >

この作品をシェア

pagetop