ランデヴー
私が傷付くことなんて、どうでもいい。


ただ今は……陽介が傷付いてる。


そう感じる。



「ねぇ陽介、何かあったの?」


心の中が不安な闇に侵された。



私は陽介に握られた手をそっと解くと、逆にギュッと握り返した。


そして私の耳元を撫でている陽介の手に、自らの手を重ねる。



「お願い、教えて?」


私はその時、陽介の苦しみを取り除きたいと思っていた。


何か苦しんでることがあるのだとしたら、それを何とかしてあげたい。



2人で解決できることだって、あるはずだ。


2人なら、立ち向かえることだってあるはず。



――そんなの思い上がりだ、って。


この後陽介から告げられる言葉で、私は嫌という程に思い知らされるのに。
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