ランデヴー
陽介のことだから、きっと……きっといいよって言ってくれるはず。


今日1日一緒に過ごして、私は陽介も同じ気持ちだと確信していた。


陽介だって、別れたくないって思ってるはず。



きっと……きっと。



そう信じてグッと力を込めた瞳で陽介を見つめる中、その唇がゆっくりと動いた。


私はスローモーションのようなその動きを、じっと追いかける。



「ゆかりはきっと……俺と一緒にいると、傷付くことになると思う」


「……え?」


それは私が期待した言葉とは違い、むしろ眉を潜めたくなるような言葉だった。


薄暗い闇の中に浮かぶ陽介の2つの目は思い詰めたように揺れていて、それを食い入るように見つめる。



「俺は……ゆかりをこれ以上傷つけたくないんだ。どうしても……」


キュッと唇を噛むようにして体を震わせる陽介が、とても弱々しく感じた。
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