ランデヴー
そうやって定時まで無心で頭と手を動かし、やっと退社できる嬉しさに勢い良く立ち上がった、その時だった。
クラリ――と。
立っていられない程の立ち眩みに襲われ、目の前が真っ暗になった。
堪えきれず、倒れるようにその場にしゃがみ込む。
「坂下さん!?」
横からすかさず倉橋君が私の体に手を回した。
「大丈夫ですか!?」
心配そうな倉橋君の声が聞こえてきたが、とにかく頭も胃もぐるぐる回っている気がして天と地が良くわからない。
酷い動悸に息が止まりそうになる。
私は無意識のうちに、倉橋君の腕にギュッと捕まっていた。
「ごめ……大丈夫……。ちょっとだけ、このままで……」
私は息を整えながら、暗闇が消えるのをじりじりと待った。