ランデヴー
元々貧血気味な体質ではあるが、ここまで酷いのは久しぶりのことだ。


いつもは座ればすぐに収まるのに、今日は復帰するのにやけに時間がかかる。



大きく深呼吸を繰り返し、そっと目を開けると明るい光が差し込んだ。


ちゃんと視界が開けたことに安堵する。



隣から私の背中をさする倉橋君に「有り難う」と言ってゆっくり立ち上がると、部署中から注目を浴びていることに気付いた。



「坂下、大丈夫か?」


「早く帰って休んだ方がいい」


大地さんと榊原さんに口々に言われ「すみません、お騒がせしました」と頭を下げる。



そんな私の視界に、みんなと同じように心配そうに私を見つめる陽介の姿が映った。


再び動機が激しくなった私は思わずあからさまに顔を背けてしまい、すぐに深い自己嫌悪に陥る。



こんな風に目を逸らしてしまうなんて……決して陽介のことが嫌いになった訳ではないのに。


ただ、今は自分の愚かさに心の整理がつけられずにいるだけなのだ。
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