ランデヴー
負の感情でいっぱいになる心に気付く度に、泣きそうになる。


私はこんな女だったんだ――って。


胸が張り裂けそうに痛くて痛くて……叫び出したい程の苦痛。



今の私の『別れたくない』は、以前のような純粋な気持ちではない。


陽介のことを困らせたいが故の『別れたくない』になっていることに、私自身気付いていた。



陽介に別れの言葉を告げなければならない現実は、色んな意味でこの身を引き裂かれるような痛みを私にもたらす。


それを、陽介にわかって欲しい。


同じ痛みを陽介にも共有して欲しい。



そんな風に思う自分は醜く、それを自覚しているからこそ余計に辛い。


こんな考え捨ててしまいたい。



全部、全て何もかも、捨ててしまいたい……！



そう心の中でもがき続け、暗闇の中でどうすればいいかわからずに佇む私に手をさしのべてくれたのは……他でもない、倉橋君だった。
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