ランデヴー
倉橋君はいい子だ。


わからないことはわからないとちゃんと言って、教えを請うことができる子。


それに、この整った顔立ちで笑うと、相手にものすごくいい印象を与える。



私はそんな彼に、少しずつ心を許していた。


そして倉橋君も、私に対して心を開いているのを感じていた。


毎日近くで仕事をして話をしていれば、それは当然のことだと思う。


そもそもお互いに悪い印象を抱いていないのなら、尚更のことだ。



でもそんな日々の中、ふと視線を上げると陽介と目が合うことがある。


瞬間お互い目を逸らすのだが、少しでも私のことを気にしてる、と思うとじわじわと嬉しい気持ちが込み上げる。


妬かないって言ってたのに、と陽介のことが少し可愛く思える。



陽介とは、月に2,3回のペースでしか会えない。


それは、大抵が私の家だった。


いつも彼からの誘いを待つだけで、私の方から連絡はしない。



他の不倫カップルの話を聞いても、私ほど禁欲的に過ごしている人はいないだろう。
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