ランデヴー
「あの、まさかとは思いますけど……。お酒飲んでます?」


そう問われ、私は思わず両手で口元を抑えた。


アルコールの匂いはそう簡単に隠せるものではない。



「何かスカートも皺になってますし……」


そう言われ、慌てて自分の服装を見直す。


確かに……お気に入りのスカートはしわくちゃで、裾はめくれ上がっていた。



「目元も大変なことになってますよ。100年の恋も冷めるレベルですね」


ハッとして、今度は両手で目を押さえた。


散々泣いたから腫れてるだろうし、化粧は昨日からずっとしたままだった。



「まぁ、俺は冷めませんけど」


「…………」


最後に付け足された言葉に、少し恥ずかしくなる。



でも残念ながら、私はこの姿で陽介に会わなくて良かったと思ってしまっていた。


ことごとく倉橋君の気持ちに応えることができず、申し訳なく思う。
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