ランデヴー
それともう1つ。


陽介ではない、倉橋君が来たことに少なからず落胆してしまっていたからだ。



そもそも私は何を期待していたんだろう。


まだ陽介への想いを断ち切ることができずにぐらぐらと揺れ動く自分に、いい加減うんざりする。



陽介とはもう別れるのだから。


私は『別れよう』と告げなければならないのだから。



「て言うか、何でそんな薄着なんですか? 一体どこに行こうとしてたんですか……。家に戻りましょう」


いつの間にか落ち着きを取り戻した倉橋君にそう言われ、私は微かに体が震えてることに気付いた。


昨日から着たままの薄手のニットは、1枚だけだとこの季節は寒い。



倉橋君の肩に捕まるようにしてよいしょと立ち上がると、彼が一瞬動きを止めた。


怪訝に思い目を向けると、倉橋君は何故か信じられないという顔をして私を見ている。
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