ランデヴー
いつまでも個人的な事情でくよくよして、みんなに負担をかける訳にはいかない。


続いていく日々の現実が、私にそう思わせる。



倉橋君にもたくさんの迷惑をかけてしまった。


風邪をひいていることにも気付かずに酔っ払い、看病させた上に食事を作らせ、更に髪の毛まで乾かしてもらったなんて……思い出すだけで熱が上がりそうだ。



倉橋君も会社も、こんな形で煩わせたくはない。


それに、これでは陽介に対しても顔向けができない。


私達が出会った意味さえ、なくなってしまう。



陽介とのことは、確かに私を心底打ちのめす程のダメージを与えた。


でも――それ以上に陽介は、目には見えないけどたくさんの大切なものを私にくれた。



会社で初めて仕事への充足感を覚えたのも、のびのびと息ができるようになったのも、全て陽介のお陰だ。



私は陽介に感謝をして、そして1人でちゃんと前に進んでいかなければならない。


彼が作ってくれたこの場所で、頑張らなくてはならない。
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