ランデヴー
送信ボタンにそっと手をかける。


その手が微かに震えた。



これでもう、本当に終わりなんだ……。



画面が涙で滲んで見えなくなって、私はキュッと目を閉じると意を決して送信ボタンを押した。


送信を見届けることなく、携帯をラグの上へと放り投げる。



そして私は声を殺して、泣いた。



辛い。


苦しい。



でもきっと、これは風邪のせいなんだ。


熱が下がって元気になれば、きっと私も元気になっているはずだと。


陽介と会えなくても、抱き合うことができなくても、大丈夫だからと。


何度も何度も言い聞かせる。
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