ランデヴー
「陽介……さよなら……っ」


しゃくり上げながら、枕にギュッと顔を押し付けた。


涙が止まらない……。



その時――インターホンから『ピンポーン』と、来客を知らせる音が鳴り響いた。



悲しいことに、この音に反応してすぐ頭に思い浮かぶのは陽介の姿だった。



違う、そんなはずない……頭の中ではそう思っているのに、私の足はふらふらと何かに吸い寄せられるように、そこへと向かう。


だって……今別れのメールを送ったばかりなのに。


連絡もせずに来ることなんて、今まで1度だってなかったのに。



それでも私は期待せずにはいられない。


もしかしたら、という思いを拭えない。



そして……モニターを見て、落胆するのだ。



違うと思いながら、そこにいるのが陽介であったらどんなにかいいだろう、と。


そう思ってしまう自分を、心底馬鹿だと思う。
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