ランデヴー
「水、飲んでて下さい。今お粥作りますから」


「ありがと……」


「いーえ」


チラリと視線を向けて小さくお礼を言うと、倉橋君は嬉しそうにふふっと笑い、布団を優しく掛け直してくれた。



倉橋君の優しさが、今はダイレクトに身に染みる。


私は倉橋君が訪ねてきても落胆しかしない、そんな最低な女なのに。


チクチクと胸が痛み、苦しい……。



私は少し体を起こして、水をゴクゴクと飲んだ。


渇いた体の中を冷たい水が一気に巡るような感覚が、気持ち良かった。
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