ランデヴー
月末が近付くと、大量の請求書や関係書類と格闘することになる。
それらを無心で1つずつ処理していると、後ろから突然佐原さんに声をかけられた。
「坂下、お前あんまり無理すんなよ。顔色悪いし、残りは倉橋にやらせてもう帰れば?」
そう珍しく優しい上司らしいことを言われてふと時計を見ると、とっくに退社時間は過ぎていた。
顔色が悪いのは、朝起きた時点でわかっていた。
それを隠す為に明るいチークを乗せているのだが……さすがにクマや少しやつれた頬までは、簡単に隠せないみたいだ。
「大丈夫です、もう少ししたら帰りますので。お気遣い有り難うございます」
ニッコリと笑って見せると、佐原さんはものすごく嫌そうな顔をする。
「疲れた顔でそんなこと言っても説得力ないぞ?」
「そうですよ。病み上がりだし、もう帰ったらどうです?」
倉橋君まで佐原さんに同調して、横からそんなことを言ってきた。