ランデヴー
倉橋君は16時までミーティングだと言うので、終わる時間を待ってから地下の倉庫へ向かうことにした。
データを確認し、書類が入っているBOX番号を手帳に控える。
「じゃ、行こっか」
ホワイトボードの名前の横に『B1』と書き入れて倉橋君に声をかけ、私達はフロアを出た。
エレベーターホールで昇降ボタンを押して待っていると、非常階段の扉がガチャリと開く音が聞こえた。
ふと目を向けると、そこから陽介がふらりと入って来るのが目に入る。
恐らく1つ下のフロアにある営業部にでも行っていたのだろう。
たった1フロアだったら、エレベーターなんて使わない。
通りすがりにチラリと視線を向けられ、トクンと心臓が弾む。
手帳を手にした私を見て、陽介は小さく首を傾げた。
「あれ、何かミーティング?」
「いえ……倉庫でちょっと捜し物を」
私がそう答えると、陽介は一瞬倉橋君の方へと視線を向け、「へぇ」と少し目を細める。