ランデヴー
「……あれ、香川さん。早いですね」
少し訝しげに、でもどうやら気付かなかった様子の倉橋君は、そう言いながら部屋に入ってきた。
壁にかかる時計を見ると、会議まではあと5分。
「あぁ、一段落着いたから早めに来たんだ」
上手に言い訳をする陽介を横目に、私は何だか居たたまれない気分になり、そっと会議室を出た。
心臓がバクバクして、とてもじゃないけど平静を保ってなんていられなかった。
馬鹿だ……あんなにも用心してきたのに。
深い後悔に襲われる。
倉橋君が気付かなかったから良かったものの、例え陽介が望んでも、会社でこんなことをするべきではない。
陽介と少しでも長く一緒にいたいのなら、突き放すべきなのに。
そしてそんな風に考えなければならない自分が惨めで、悲しくて、目に涙が滲む。
私はトイレに駆け込むと、個室に入って便座に座り込んだ。
「う……っく……!」
目をギュッと閉じたまま両手で口元を押さえ、必死で涙を堪える。
少し訝しげに、でもどうやら気付かなかった様子の倉橋君は、そう言いながら部屋に入ってきた。
壁にかかる時計を見ると、会議まではあと5分。
「あぁ、一段落着いたから早めに来たんだ」
上手に言い訳をする陽介を横目に、私は何だか居たたまれない気分になり、そっと会議室を出た。
心臓がバクバクして、とてもじゃないけど平静を保ってなんていられなかった。
馬鹿だ……あんなにも用心してきたのに。
深い後悔に襲われる。
倉橋君が気付かなかったから良かったものの、例え陽介が望んでも、会社でこんなことをするべきではない。
陽介と少しでも長く一緒にいたいのなら、突き放すべきなのに。
そしてそんな風に考えなければならない自分が惨めで、悲しくて、目に涙が滲む。
私はトイレに駆け込むと、個室に入って便座に座り込んだ。
「う……っく……!」
目をギュッと閉じたまま両手で口元を押さえ、必死で涙を堪える。