ランデヴー
「佐和子、有り難う。でも私はね――」


「はいはい、彼がいい、でしょう?」


私の言葉を遮り、佐和子はわかってると言わんばかりに言葉を続けた。



「うん、ごめん……」


「別に私に謝る必要ないし。まぁ後悔しないような決断、しなよ」



後悔しない決断、か……。


もしかしたら陽介との恋愛は、後悔だらけになってしまうのかもしれないな、と。


悲しいけど、心の片隅ではそう考えている自分がいた。



「ところでゆかり、今月末の花火大会行くの?」


佐和子が何事もなかったかのように、急に話題を変えた。


今月末の花火大会とは、恐らく大勢の人達にとってこの夏最大の思い出作りになるであろう一大イベントだ。



「あー、うん。行きたいけど……多分行かない、かな。1人で行く程寂しいものはないしね」


「うちのも一緒で良かったら、行く?」


「何言ってんのー、勘弁してよ。目の前でイチャつかれたくないし」


私に気を遣って誘ってくれる佐和子に、私も気遣いで返した。


恋人達の楽しい時間を邪魔する程、私は病んでないつもりだ。
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