花は野にあるように
「ん。
じゃ、やるか。」


頷いて。


菊に向き直ったリョクは、いつもよりスッゴク真面目な顔になって、カッターを手にした。


「まずは、この折れたところの上、組織の繊維が潰れていない所で、斜めに切り離す。」


僕に説明しながら、リョクは刃を振り下ろして花を切り離してしまう。


って、えっ?


とどめ刺しちゃってどうするのーっ!


「リ、リ、リ、リ、リョク?」


「んん?
ちょっと後でな。
ここは集中しないとな。」


だけど、リョクは動揺している僕を気にする事なく目の前に集中している。
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