花は野にあるように

16

「………とはいえ、これを持ち上げて運ぶのって大変だよね?」


なんだかとっても重そうなドラム缶を眺めながら、僕はリョクに言った。


「んん?
そんなに重くはないぜ?
中身は空だしな。
せいぜい20キロぐらいか、もう少し。
米の袋2つぶん、みたいな感じ?」


小さく首を傾げながら、リョクは僕の疑問に答えてくれるんだけど。


「そ、そんな重いもの、よく持てたね?」


僕はうっかりそこに感心してしまう。


「ん?
まぁ、大抵の人間はだいたい30キロ位までなら持ち上げられるんだけどな。」
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