花は野にあるように
「心配してくれんだ?」


そんな呑気な事を言って、リョクはゴクンと喉を鳴らして飲み込んでしまった。


「あぁっ!
ダメだってば。
おなか壊しちゃうよっ!」


上を向いて言う僕を笑った顔のまま見ていたリョクは、ホントに嬉しそうな猫みたいに笑った。


「そんな顔して心配してもらえるんだな、嬉しいなぁ。」


「バカな事言わないで、早く吐き出さなきゃダメだってば。」


本当に心配して言っているのに笑っているリョクが信じられなくて、僕はなんだか泣きだしてしまいそうな気持ちになっていた。
< 63 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop