花は野にあるように
「んな、泣きそうな顔して心配してくれんのって、めちゃくちゃ感激なんだけど、やっぱ誓いには反するかな?
お前に心配かけちまうと、困らせてる事になるよな?」


うれしそうな表情のリョクは殊勝な事を言いながら、僕の目線まで腰を落としてくれた。


「今のは、土の味を見ていただけだって。
俺の腹は丈夫にできてるし、すっげぇチビの頃からやってることだから心配はいらねぇんだ。」


お前みたいな可愛いヤツに心配してもらえるのは嬉しいけどな、なんて付け加えながらウインクするリョクに、僕は少しドキッとしながらもひっぱたいてやりたいような気分だった。
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