SWEET HOME
「美希…やばいよ…」


すっかり様子の違う沙織の強張った声が、思い出にひたっていたあたしを小さく非難している。


それでもあたしは満足げな笑顔を浮かべたまま、


「あいつの大事な奥様、きっと今頃病院で結果を聞いてショックを受けてるんだろうな」


今日検査結果を聞く日だって嬉しそうに言ってたから。


あたしとさんざん楽しんだベッドの上で、シャツを羽織りながらね。


「完治も難しいし、出産までに間に合わないだろうから、お腹切らないとね」


「どーして…?」


怪訝な顔をする沙織に、教えてあげた。


「あのね、自然分娩だと産道通る時赤ちゃんにも移っちゃうんだって」


「…っ」

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