SWEET HOME
油断は禁物だって教えてくれたのは、あなただったのにね。


それからあたしは、する前に必ず彼を酔わせることにした。


この仕事をしていて良かったと思えたのは、初めてだった。


別れるまでの間。


さすがに毎回じゃなかったけれど、あたしは現実を思い出させる“音”に邪魔されず、彼を感じることが出来た。


幸せだった。


違う女の名前を呼ばれても。


彼の愛を感じられるなら、それで良かった。


きっと麻痺してた。


おかしくなってた。



最後は、



その女になりたいとさえ思ってた…


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