SWEET HOME
下ごしらえを済ませあとは煮込むだけとなったシチュー鍋に、蓋をする。


さっき近所のパン屋さんでおいしいフランスパンも買ってきたし準備万端。


壁の時計を見上げると、17時を回っていた。


何時の便だって言ってたっけ…


メモした手帳を確認しようした時、ふいに玄関でチャイムが鳴った。


いいタイミングに、顔が綻ぶ。


エプロンを外しながら小走りに玄関に向かうと、


「真美、ただいまー」


聞き慣れた彼の声が、待ちきれないかのようにドアの外から聞こえてきた。

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