SWEET HOME
鍵を開けると、少し疲れているような、だけど満面の笑みを浮かべた顔がのぞく。


「お帰りな…さっ」


まだ言い終わらないうちに、気づくとあたしの体は長い腕にすっぽりと包まれていた。


「ねぇ…お鍋火にかけっぱなしなんだけど」


「いいよ」


「哲っちゃんの好きなビーフシチューだよ?」


「真美のがいい」


「もう…」


長い出張から帰ってくると、このままきまって10分は離してくれない。


熊さんみたいに大きな体をしているくせに、意外と甘えたで寂しがり屋。


そんなとこもかわいくて大好きだけど。

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