雨粒のワルツ

そして、ふと自分が持っているバイオリンケースに気がつく。





そうだ・・・・



私はバイオリンを取り出すと、彼の音色に合わせるように

メロディを奏でた。







途中彼は気づいたのか、私のほうにも合わせてくれるようになる。






楽しい・・・・




目を閉じて、彼の奏でるメロディに身を委ねると、自然と体が動いてしまう。








だけど、突然音楽が鳴り止んでしまった。

どうしたんだろう、と中を見てみると女子が嬉しそうに彼と話をしていた。

どうやら、手作りクッキーの差し入れみたいだ。




・・・だよね・・・


彼女、いるよね






私は不意に現実に戻された気がしてバイオリンをケースの中に収めた。
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