ウエディング
サイト
[美里side]
私は自分が嫌い。
自分の名前も自分の顔も。
名前は親が付けたから。
それもあるけど何より平凡だから。
自分の平凡さに私は劇的な恋なんてって思うのは日常茶飯事。
まだ中学2年なのにこんなことを考える日々。
「みー!今日の宿題やった~?」
急に後ろから重い衝撃。
びくっ!!!
ぼーっとしてたせいか体がすごく反応した。
「やったよ♪なにげ出来た!」
こんなの楽勝だよ!!なんて言えないからこそ、謙遜するのが自分。
今、話かけてきたのは私の相棒こと親友の紗江だ。
紗江とは中1の頃からの付き合いだ。
「まぢ~。うち全然わかんなかった」
うなだれている紗江を見て笑うのも日常のこと。
こんな普通の生活を送る私には一つだけ楽しみがあった。
それは部活だ。
放課後になると体育館でバッシュがすれる音、ボールの弾む音、シュートの入る音。
私はそれがたまらなく好きなのだ。
それとは、大好きなバスケ。
私は小さい頃から外では遊ばない内気な子だった。
私には一つ上のお兄ちゃんがいるがそのお兄ちゃんは私とは正反対だった。
バスケと出逢ったのは、小1の頃。
唯一私を変えてくれたものだったのだ。
でもそれもお兄ちゃんがやっていたから出来たのが現実だった。
現実とは裏腹にバスケをすることにいつしか快感を見つけていた。
この中学に入ってからもう一年は経つ。
その一年でこのバスケ部も大きく変わり、代も変わった。
今の代のバスケ部はとても強く、私もびっくりするほどだ。
私はベンチだけれど、悔しい裏腹わかっていたという気持ちにもなっていた。
その日の練習は終わり、先輩たちとも一緒に帰ってる時だった。
「ねぇ、あのサイトやってる?」
先輩のその一言で話は盛り上がった。
この雰囲気があるから私は平凡ながらも学校に来ているというのもあった。
すかさず答える。
「やってます!面白いですよね♪」
なんて会話をするのも仕事みたいに思える。
でもこれが自分の立場。
後輩ってこういうもんだから。
そう思うことしか出来なかった。
それから毎日平凡ながらも楽しい生活を送りながら過ごす日々。
恋がしたいなぁって思えばメールで落とす。
それが私のやり方だった。
でも実際それすら飽きたのが現状。
付き合っても愛されてないって思えばゲームオーバー。
私はゲーム感覚で恋愛をするのが楽しかった。
これは、最低女のすることとは自覚していても止めることすら出来ずにいる。
一般的に見ればたらしと呼ばれる分類だ。
私の好みをいえば、理想は高い。
第一条件は年上で、イケメンであること。
第二条件は背が高く、スタイルがいい人。
この条件に入る人はめったにいない。
だから恋が上手くいかないのかもしれない。

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