王龍×姫龍

自分を見てみてもこんなに出血するような傷は何処にも見当たらない。

《…ぁ…す……て……》

声が聞こえた。
どこか懐かしく、悲しい声が。
声の聞こえた方、後ろを振り向いた。
私は絶句した。
そこにいたのは、

『か、んな、さん』

血だらけで倒れている柑奈さんがいた。

《…ぁ……けて……》

苦しそうになんとか声をだしていたけど聞こえなくて私はひざまずき柑奈さんの口元に耳を近づけた。
そして、確かにこう言った。

《れんあたすけて》

瞬間…―――

《ゲホッゴホッ…カハッ》
柑奈さんはいきなり咳をして今まで以上に苦しみだした。

『柑奈さん!!?』

呼び掛ける事しか出来ない自分が腹立たしくて、悔しかった。
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