琥珀色の誘惑 ―日本編―
「馬鹿を言うな。これは殿下のご命令で、当然のことだ」

「と……とうぜん?」

「そうだ。殿下の寝所に上がる女は、全て検分する。武器を隠し持つ可能性もあるのでな」


舞は唖然とした。
そんな話は聞いたことがない。第一、この間はいきなり舞をベッドに押し倒したはずだ。


「早くしないか。殿下がお待ちだ」

「イヤよ! そんなのは絶対にイヤ!」


ミシュアル王子を探そう。直接、尋ねてみよう。

舞がそう思って部屋から出ようとした時、ヤイーシュに腕を掴まれた。振り解こうとするが、もの凄い力だ。


「い、痛い……離して」

「全く。異国にはろくな女がおらん」


< 114 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop