琥珀色の誘惑 ―日本編―
その時である――。


「何を当然のことを。結婚もせずみだりに体を許す女を娼婦と言うのだ。舞はそんな女ではない。口を慎め」


ミシュアル王子は至極当たり前とでも言わんばかりに顎を上げ、凛とした声で言い放った。


ふたりの男子学生も、そのまま引き下がればいいものを……。


「まあ、親戚のオッサンならそう言うか」

「知らぬがホトケとか言うじゃん」


愚にもつかない文句をブツブツと言い続ける。



だが、その言葉はミシュアル王子の逆鱗に触れたのだ。


「愚かな――舞の純潔は病院の検査により証明されたのだ! 判ったら、その無礼な態度を謝罪して、今すぐ立ち去れ!」


ミシュアル王子は衆人環視の中、舞のバージンを宣言した!


< 56 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop