琥珀色の誘惑 ―日本編―
母さんは後でゆっくり行った方がいいよ――という遼の言葉で、舞と父が先に下に降りることになった。


とりあえず階段で二階から一階に下りる。
玄関口の辺りに数人が集まっていた。同じ公務員宿舎の別棟の窓が見え、そこから何人もの人が外を見下ろしている。


「あ、あの」


何かあったんですか? と舞の父が宿舎の管理人に尋ねようとした、その時。


「つ……つき、月瀬さんっ! 最近見かける黒塗りのベンツ、お宅のお客さんですよね? いったいどういう人たちなんですかっ!?」

「いや、それはですね……」


管理人に詰め寄られ返答に困る父を尻目に、舞は外に出た。


そして彼女はそこにいるはずのないモノを目にしたのだ。


それは、ちょうど公道から宿舎の敷地内に足を踏み入れた所だった。


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