この男、偽装カレシにつき
「まままま、まさか!」


しまった、動揺しすぎてどもっちゃった!


落ち着くのよ、チエ。
寝言の『ユキノ』が気になるなんて言ったら、橘センパイに惚れちゃいましたって報告するのと同じ。


純ちゃんのことだから、ほらみろってからかうに決まってるし、面白がって橘センパイにチクっちゃうかもしんない。


そんなことになったら、偽装カノジョのまま一番側にいてやろうっていう、私の綿密な(?)計画が台なしになっちゃう!


親友とはいえ、口が超軽量級の純ちゃんには絶対内緒にしなきゃ!


「風邪うつっちゃったのかな」


我ながら、なんてセンスのない嘘。
なのに優しい大野センパイは、大丈夫?なんて眉を下げる。
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