この男、偽装カレシにつき
え?!
何?見間違い?
今この子、わざと財布を踏まなかった?


私は信じられなくて、ギャルと足元の財布を何度も見比べてしまう。


ギャルは私を一瞥すると、まるで何もなかったかのように過ぎ去って行く。


しかも、ちょっと待って。
私の耳が正しければ、後ろで、「いい気味。調子乗ってんじゃねーよ」なんて言いながら、別のギャルと笑い合ってない?


私はヨロヨロと立ち上がりながら、横で一部始終を見ていた純ちゃんに恐る恐る聞いてみる。


「ねぇ純ちゃん…。
私ってもしかして、嫌がらせされてたりする?」
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