王子様は囚われ王女に恋をする
「そんなことを言っていられるのは今のうちだ。
お前が私の妃にならなければ、お前の大事なカイルも
侍女のイライザも死ぬことになる」


トーマスの言葉にアリシアは固まった。


「カイル様とイライザが…?
イライザは…イライザはどこにいるんです?!」


血相を変えたアリシアを見て
トーマスは笑った。


「イライザも一緒に連れてきた。
お前の態度次第では即刻首をはねる。
カイルも刺客に襲うように指示を出す」


そう言い残してトーマスは部屋を出て行った。


「イライザっ。カイル様っ」


アリシアは氷のように冷たくなった両手を握りしめた。
< 104 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop