王子様は囚われ王女に恋をする
着替えが終わったころ、侍女のイライザが呼びに来た。

「アリシア様、カイル様がいらっしゃったようです。
広間に来るようにと王様がおっしゃっています」

「分かったわ」

少しわくわくしながら、広間へと急ぐ。

「お父様!」

広間の扉が開いた瞬間
目に入った人の姿に驚いて足を止まった。

「アリシア、こちらがセナール王国のカイル王子だ。
ご挨拶しなさい」

王である父親の声にその人から目が離せないまま
アリシアはぎこちなく挨拶をした。

「アリシアです。はじめまして」

カイル王子は歩いてくると優しく微笑んだ。

「カイルです。はじめまして、アリシア王女」

幼いアリシアは
すっかりその微笑みのとりこだった。

一度見たら忘れられないほどの
きれいなスカイブルーの瞳。

明るいブロンドの髪はサラサラと額にかかっている。

(なんてきれいなの…)

カイル王子を見た瞬間、
アリシアは初めての恋に落ちていた。

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