失恋ショコラ【短】
「へぇ」


どこか満足げな声が首筋で漏らされ、吐息が当たる。


そんな些細な事にまで反応する、熱を帯びた体。


普段の自分(アタシ)からは考えられない程の反応に戸惑って、同時に恥ずかしさが込み上げた。


「そんな顔もするんだな」


いつの間にか至近距離であたしを見下ろしていた篠原が、お互いの鼻先をピタリと引っ付けた。


「イイ顔だ」


喉の奥でクッと笑う彼に、胸の奥が甘く軋む。


「普段は眉間にシワ寄せてるお前しか見てねぇから、瞳に涙溜めて顔を真っ赤にしてるお前って新鮮だな」


また、綺麗な瞳がユルリと緩められた。


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