失恋ショコラ【短】
「かっ、帰りますっ!!」


背筋が粟立ったのを隠すように大声で言い放って、目の前のドアを乱暴に開けた。


その様子を見ていた篠原の楽しげな笑い声が、背中から聞こえて来る。


そして…


「お前は、もうすぐ俺の事を好きになるよ」


彼は自信に満ちた声で、そんなふざけた事を言い放ったのだ。


その顔はきっと、生き生きとしているに違いない。


いつもあたしを虐める時のように…。


悔しさを抱きながらも篠原に勝てない事をわかっているあたしは、せめてもの反抗のつもりでドアが閉まる直前に叫んだ。


「絶対に有り得ませんっ!!」


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