失恋をした君と私の恋
☆沙羅side
「行ったか」
私の隣には敬斗がいる。
私達の視線の先には、
奈々の手を引く涼太。
「私達も帰ろう?」
私は、敬斗の裾を
ちょっとだけ掴んだ。
「あぁ、」
私と敬斗は歩きだす。
「2人なんて久しぶりね♪」
私は、敬斗を見て微笑んだ
「涼太がいなきゃ嫌って?」
敬斗の思ってもみない返事に
驚きが顔に出たらしく
「すげー顔」と敬斗は笑った
「敬斗…どうゆう意味?」
「あ?いいって隠さないで」
敬斗は…何を考えてるの?
わからない…わからないよ。
「何が…言いたいの?」
「だからー、沙羅…
涼太が好きなんだろ?」
敬斗は私の前に立ち
いつになく真面目な顔だった
ねぇ敬斗…覚えてないの?
子供の時…約束…。
「まぁ頑張れよ?…行くぞ」
敬斗は私の手をひいた。
こうゆう時に限って
なんで…、
なんで手を離さないの?
好きなのは敬斗だよ…。
敬斗なのに…。
言うのが怖い。
このまま幼なじみのほうが
近くにいられる。
だから…言えない。
言いたくないの。
好きなのに…―。
ねぇ…敬斗…―。