失恋をした君と私の恋


☆奈々side


【涼太へ
ごめんなさい。
私、敬斗が好きなの。】

昨日みた涼太に送られた
沙羅からのメール。

沙羅は涼太が好きだと思っていた私は
すごく驚いた。
でも驚いたと同時に
志賀くんが好きなのは私なんだ
と、悲しくなった。


―――放課後


「放課後、いつもの場所ね」

そう沙羅に伝えたものの
いざ会って何を言うべきか
…なんて考えてなかった


「はぁ~、あっつ~」

屋上は日差しに照らされ暑いけど
心地よい風も吹いていた。

「奈々…?」

声がして振り向くと沙羅がいた

「「あのさっ」」

2人の声がかぶる。
2人して、先いいよって
言い合って、笑って…
私は涙がでてきた。

「沙羅…私、涼太が好きなの」

「うん…知ってるよ…」

「でもね。涼太はね……」

「うん…知って…る」

沙羅はいつの間にか
静かに泣いていた…。

「奈々…私、敬斗が好きなの」

「うん……」

「状況は奈々と一緒…」

「うん……うん……。」

2人して泣いていた。
叶わない恋だと知った今日。
好きな人が好きな人は
今目の前にいる大切な人。

「ねぇ。奈々っ」

沙羅が明るく声をかけた。
そして、
「仲直りしよっ!
私達はずっと友達でしょ?」
そう言って手を差し出した。

その言葉が欲しかった。
私は、流れていた涙を
袖で拭って沙羅の手をとる。

「「お互いに頑張ろうね」」

そう約束をした…。


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