失恋をした君と私の恋



「…お♪開いてるっ」

沙羅は屋上に続く扉を
キィーと開けた。

須賀くんは沙羅を見ていた。
須賀くんは沙羅が好き?
そんな疑いを持つ。

屋上から見える空は
青々として綺麗だった。

「食べよう!……奈々?」

ボーっとしていた私に
声をかけた沙羅。

「あ!…うん!」

綺麗で華奢な沙羅
廊下を歩くと先輩にまで
声をかけられたりする。

そんな沙羅に
私なんか…かなわない。

少しの沈黙と一緒に
お弁当を食べ進める。


「ねぇ…奈々、」

キィー…バタン

沙羅が私に話しかけたと同時に
誰かが屋上に入ってきた。


「急に呼ぶなよなー、」

入ってきたのは男の子。

髪が日にあたり茶色くなり
ワイシャツのボタンは
適当に外されていて、
中にはTシャツが見えた。

「ったくよー」

めんどくさそうに座った
男の子……いや、須賀くん


「俺らもまだ食ってなかっただろ」
そう冷静に答えたのは
須賀くんと一緒にいた男の子
志賀 敬斗<シガ ケイト>くん。


突然の出来事に
状況がよく掴めない私。


「奈々…あのね、私達…」

「あっ!」

沙羅が話しだした時に
須賀くんが私を見て目を丸くした

「前期発表の時の…?」

須賀くんは、
少し自信が無さそうに
私に問いかけた。

「うん♪。飴ありがとっ!」

「おう」とホッとしたように
須賀くんは言った。

「それより…
3人はどうゆう関係?」

2人が来たときから、
気になっていたことを
勇気を出して聞いてみた。

「あー…。」

と、須賀くんは口ごもる
そんな様子を見た志賀くんが
「幼なじみなんだよ。俺ら」
と手を首に当てながら答えた。
「幼なじみなんだっ」
と安心しながら答えた。


須賀くんと志賀くんは
すごくかっこいい。
実際他クラスでもすごい噂。
かっこいい2人がいるって。
それに、沙羅も
ずば抜けて綺麗。
2人と同じで他クラスの人が
声をかけてきたりしていた


「すごいなー。幼なじみが格好いい人と綺麗な人なんて、」

そう私が言うと、
ニカっと3人が笑った。

「え?なにっ?」

笑った意味が分からなくて困る
聞いても教えてくれない3人
私は仕方なくあきらめた。



「そろそろチャイム鳴るよ?」

沙羅が立ち上がり、
パンパンとスカートを叩いた。

「行こっか♪」
そう言い立ち上がる
次の授業はサボる2人を置いて
屋上を後にした




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