幼馴染と彼氏の事情
この前のこときっと気にしてるよね?
「あ・・・ご、ごめんね!恭ちゃんも練習でしょ?ここでするならあたしどくから使っていいよ!!!」
私はプリントを仕舞い出ようとした。
ガシッ。
・・・え?掴まれてる?
「待てよ・・・行くな。」
それは恭ちゃんの手だった。
私の腕を掴んで離さない。
「恭ちゃん?・・でもあたし邪魔でしょ?邪魔なら邪魔って・・・」
「邪魔じゃないからここにいろ。」
彼の顔を見ると、私をまっすぐ見つめる瞳が心に入った。
「うん・・・わかった!そうするね!」
恭ちゃん・・・気にしてないのかな?
「はぁ・・・これでやっと話せる。」
「え?」
「え?じゃねぇよ!!あのあとお前に会おうとするとどっかに行くし目もあったら逸らすし・・・どうすればいいのか分かんなかっただろ!!」
さ・・・さすが幼馴染。
全部ばれてたか。
「あは☆いい感じに隠してたと思ったんだけどー・・・ばれるか!」
「ばれるわ!!・・・・・・ったく、手間かけさせやがって。」
「ごめんね?・・・あはは。」
「無理だな。お前、罰として俺と踊りの練習一緒にしろ。」
え・・・・えぇ!?
意味わかんないし!!!
「ま・・・まってよ!?本気!?」
「あぁ本気だ。どうせ彼氏に迷惑掛けたくないから一人で練習しようとしてたんだろ?」
なんでそんなことまで・・・。
「すべてお見通しですか・・・。あ、でも恭ちゃんは?」
「俺?何で?」
「いや・・・練習するってことは相手いるのかなーって。」
七深さんとか・・・。
「あー・・・うん。いるけど・・・俺も少しは踊れるようになりたいからさ。」
「あたしと一緒じゃん。・・・情けな。」
「は!?情けないってなんだよ!?コレでも頑張って自分なりに考え・・・」
「違うよー。あたしに練習しようって言わないで一人でするのが情けないって言ってるの!だって・・・二人の方がしやすいでしょ!」
「・・・・。」
あれ?・・・恭ちゃん?
あたし変な事言ったかな?
「恭ちゃん?・・・固まっちゃってどうした?」
「え!?・・・いや。なんでもない!・・・それより練習始めようぜ!」
「え・・・うん。・・・きゃ!」
すると彼は私の腰に手を当てふわっと軽く
抱き寄せてきた。